ゲーム開発を前提としたVueとPlantFactoryの選び方 ~ PF編

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前回のVue編に続いて、今回はPlantFactory編です。


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PlantFactoryは植物に特化したモデリングツールです。
根、幹、茎、枝、葉といったパーツを使って実在の植物はもちろん、まったく新しい未知の植物を作成することもできます。

基本的にはVueの植生機能で使用する専用オブジェクトを作るためのツールですが、エディションによってはOBJでのメッシュ出力やボーン入りアニメーションをFBXで出力することもできます。

形状やマテリアルの自由度も高いので、使い方次第で植物以外のオブジェクトの作成も可能です。


PlantFactoryにも、Vueのように色々なエディションが存在します。

まず、無料のExpoterですが、これは既存の植物のバリエーションを作るだけでモデリング機能はないので除外します。
最上位のProducerは「植物を作る」という目的とはほぼ無関係の機能がわずか数点追加されているだけで、価格は倍に跳ね上がってしまいますので、これも除外して良いでしょう。

ゲーム開発では上から2番目のStudioか、その1つ下のDesignerで迷うかと思います。
そのためここでは、Studioを基準に下位エディションでは「主に何ができないか」という比較をしてみます。

今回のバージョンはPlantFactory 2016です。


■Designer

Studioと比較して以下の機能が使用できません。

  • モデリング
    • 時間、季節、樹齢、健康状態といったパラメーターを使ったプロシージャルな変化ができません。
      Vue用の植物として出力するならこの機能はあった方がいいですが、OBJやFBXで出力するなら他のノードで代用可能です。
    • 出力するポリゴンに四角形が選択できず、三角形での出力になります。
      他のツールで変換すればいいのでできなくても困りませんが、できた方が手間が減ります。
    • 幹から繋がる枝でサブディビジョンサーフェスが使えないため、形状によっては繋ぎ目が不自然になります。
      OBJやFBXの出力ではサブディビジョンサーフェスを使用するとポリゴン数が増えてしまうので、細部の形状にこだわらないならなくても困りません。
    • モデリングは基本的にベジェ曲線で行い、それに沿って自動的にメッシュが構成されますが、メッシュ化アルゴリズムの選択や滑らかさの調整ができません。
    • Level of Detail(LOD)機能がありません。
      最近のゲームではLODは動的に生成することが多いので使えなくても問題ないでしょう。
  • マテリアル
    座標、距離等を利用してパラメーター変化させることができません。
    これが使えると枝の根元から先端に伸びるにつれて色が変化するといったようなことが可能になるので、できれば使いたい機能の一つです。
  • アニメーション
    風の影響のプレビューができないため、どのように揺れるかは出力したデータをVueに取り込むまでわかりません。
    風によるアニメーションが不要ならなくても構わない機能です。
  • エクスポート
    出力されるデータにボーンが含まれません。FBXでもメッシュのみになります。
    ゲーム上でアニメーションさせる必要がないとか、ボーンは自分で入れるというなら不要ですが、StudioならFBXでボーンだけではなく自然に風に揺れるモーションも出力できるので、できれば使いたい機能です。
  • その他
    • 収録されているサンプルデータがStudioより少しだけ少ないですが、困ることはないでしょう。
      コンポーネント(後述)数はStudioと同じです。
    • Zbrushとの連携ができません。
      Zbrushを持っていなければ意味のない機能です。

■Artist

Designerと比較して以下の機能が使用できません。

  • モデリング
    • 自由に作成できるのは根から伸びる幹のみで、そこから派生する枝や葉等は作成できません。
      枝や葉はコンポーネントと呼ばれる既成の部品から選択してそれをアレンジするだけになります。
      自由度がほぼなくなるので、これは絶対にできた方がいい機能です。
    • 他のツールで作成したオブジェクトのインポートができません。
      これはできなくても困らないでしょう。
  • エクスポート
    Vue用の植物以外の出力ができません。作成した植物はVue専用になります。
    最低でもDesingerを買うべきという一番の理由がこの制限です。
  • その他
    収録データがかなり少なくなっています。
    サンプルはともかく、モデリング制限があってコンポーネントに頼らざるをえないArtistではコンポーネント数の少なさは致命的です。

プロシージャルな変化やボーンを考えると個人的にはStudioが最良の選択だと思います。
それらが不要であれば、Designerを買わずとも一般的なモデリングツールでも代用できます。

購入時の注意点を一つ。

PlantFactoryにはメンテナンスプランという有償の年間サポートライセンスが存在します。

メンテナンスプランに加入しておくと、その有効期間(1年間)の間に新バージョンがリリースされたら無償でアップグレードできるという特典が付与されます。
メンテナンスプランの年間費用はアップグレード価格より若干安いのでお得です。

しかし、翌年の新バージョンのリリースが有効期限後だった場合、メンテナンスプランを延長するか通常のアップグレード価格を支払うかといったことになるので、逆に高くつくことになってしまいます。

すぐに使う予定がないのであれば、新規購入はタイミングを考慮した方がいいかもしれません。